以下、Copilot による生成です。
GSI Plane 2漢字テストセット:Unicode補助面の地名表記に関するWeb地図基盤の検証
概要
国土地理院は、令和8年(2026年)10月30日以降、地名情報で取り扱う日本語文字集合の範囲を一部変更し、これまで代替文字で表現していた一部の漢字を、本来の文字で表現する方針を公表している。
この変更は、単なる「珍しい漢字の追加」ではない。対象33文字の大半は Unicode の基本多言語面(BMP)外、すなわち補助漢字面(SIP: Supplementary Ideographic Plane)に属する文字であり、Web地図基盤、ベクトルタイル、MapLibre GL JS、PDF、検索、コピー&ペースト等の処理系が、Unicode補助面の地名文字を損失なく扱えるかを試す実践的なテストケースになる。
本 issue では、国土地理院が公表した33文字を、UN Smart Maps / DWG7 関連ツールチェーンにおける回帰試験セットとして扱うことを提案する。
情報源
背景
国土地理院の予告では、令和8年10月30日以降、日本語文字集合の範囲を一部変更し、以下の漢字を代替文字ではなく本来の文字で表現するとしている。
- 別表に掲げる漢字
- JIS X 0221 の追加面で表現される漢字
これは、地名情報の文字表記が、従来の代替字運用から、より正確なUnicode本字運用へ移行することを意味する。
これまで多くのWeb地図システムは、暗黙のうちに以下の前提に依存していた可能性がある。
- 日本語地名は概ねBMP内の漢字で表現される
- 稀な漢字は上流側で代替文字に置き換えられる
- 表示できない文字はフォントの問題として扱えばよい
しかし、国土地理院が公式な地名情報にUnicode補助面の漢字を投入することにより、問題はフォント表示だけではなくなる。
本質的には、次の問いになる。
地名情報の原データからWeb地図表示、検索、帳票、PDF、コピー&ペーストに至るまで、Unicode補助面の文字を同一コードポイントとして保持できるか。
なぜWeb地図基盤にとって重要か
MapLibre GL JS を含むWeb地図表示では、文字描画に複数の経路があり得る。
glyph PBF を使う経路
MapLibre Style では、glyphs に以下のような URL テンプレートを指定できる。
{
"glyphs": "https://example.org/fonts/{fontstack}/{range}.pbf"
}
この場合、ラベル表示は、指定されたフォントスタックと glyph PBF サーバに依存する。
重要な検証点は以下である。
U+20000 以上の範囲に対する glyph PBF が生成できるか
- 使用フォントが対象文字のグリフを持つか
- glyph生成ツールがCJK統合漢字拡張B/Dを扱えるか
- MapLibre側が必要な範囲を正しく要求するか
glyphs を指定しない経路
近年のMapLibre GL JSでは、glyphs を省略した場合にローカル環境のフォントを用いる挙動がある。
この場合、SDF glyph 配信に依存しないため、CJK文字、とくに補助面漢字については、OSやブラウザのフォントフォールバックを利用できる可能性がある。
一方で、この経路では表示結果が以下に依存する。
- OS
- ブラウザ
- インストール済みフォント
- フォントフォールバックの実装
- IPAmj明朝、Noto CJK、游ゴシック、ヒラギノ等の有無
したがって、「MapLibreで表示できるか」という問いは、より正確には次の問いに分解すべきである。
どのレンダリング経路で、どの段階で文字が失われる、または表示不能になるのか。
問題意識
今回の国土地理院の変更は、「地図上に珍しい漢字が出るか」という狭い問題ではない。
むしろ、以下のような日本のWeb地図基盤全体の成熟度を試す出来事である。
- Unicode補助面の文字をデータとして保持できるか
- UTF-16サロゲートペアを含む文字列を壊さず処理できるか
- MVT/PBF にエンコード・デコードできるか
- MapLibre GL JS で表示できるか
- PDFや帳票に出力できるか
- PDFからのコピーで元のコードポイントが維持されるか
- 検索・ソート・正規化で意図しない変換が起きないか
- 「文字化け」と「フォント欠落」を区別して診断できるか
特に重要なのは、 と □ の違いである。
が表示される場合
は U+FFFD REPLACEMENT CHARACTER である。
これはフォントの問題ではなく、元の文字がデコード、変換、抽出、コピー等の過程ですでに失われていることを意味する。
この状態になった後では、IPAmj明朝などのフォントを追加しても元の文字は復元できない。
□ が表示される場合
□、いわゆる豆腐が表示される場合は、Unicode文字そのものは届いているが、現在のフォントまたはglyph配信経路に対応する字形がない可能性が高い。
この場合は、フォント、glyphサーバ、フォントフォールバック設定によって改善できる余地がある。
PDFで見えるがコピーで壊れる場合
PDFでは、画面表示とテキスト抽出が別の仕組みで動作する。
そのため、Acrobat等で画面上は正しく表示されていても、コピー&ペースト時にUnicodeへの対応付けが失敗し、 や別文字になる場合がある。
これは、今回のようなMJ文字・補助面漢字を含む地名情報では特に注意すべきである。
提案:GSI Plane 2 Kanji Test Set
国土地理院が公表した33文字を、GSI Plane 2 Kanji Test Set として扱い、Unicode補助面地名文字の実装試験、回帰試験、表示試験、コピー&ペースト試験に利用する。
このテストセットは以下の点で有用である。
- 国土地理院が公表した公式な文字セットである
- 実際の地名情報に必要な文字である
- 33文字と小さく、試験セットとして扱いやすい
- BMP文字とSIP文字が混在している
- CJK統合漢字拡張B/Dを含む
- MapLibre、MVT、PDF、Word等の実装差を露出しやすい
対象33文字
列の意味は以下のとおり。
No.: 本issue内の通し番号
文字: 対象漢字
コードポイント: Unicodeコードポイント
ブロック: Unicodeブロック
面: BMPまたはSIP
UTF-16サロゲートペア: UTF-16でサロゲートペアが必要か
JIS X 0213: 国土地理院公表資料に記載された値
MJ番号: 文字情報基盤のMJ番号
IVS: 国土地理院公表資料では未指定
| No. |
文字 |
コードポイント |
ブロック |
面 |
UTF-16サロゲートペア |
JIS X 0213 |
MJ番号 |
IVS |
| 1 |
坉 |
U+5749 |
CJK Unified Ideographs |
BMP |
不要 |
----- |
MJ008938 |
未指定 |
| 2 |
弰 |
U+5F30 |
CJK Unified Ideographs |
BMP |
不要 |
----- |
MJ011189 |
未指定 |
| 3 |
椧 |
U+6927 |
CJK Unified Ideographs |
BMP |
不要 |
----- |
MJ014145 |
未指定 |
| 4 |
蔻 |
U+853B |
CJK Unified Ideographs |
BMP |
不要 |
----- |
MJ058504 |
未指定 |
| 5 |
𦭲 |
U+26B72 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
----- |
MJ046358 |
未指定 |
| 6 |
𫞈 |
U+2B788 |
CJK Unified Ideographs Extension D |
SIP |
必要 |
----- |
MJ057710 |
未指定 |
| 7 |
𫟰 |
U+2B7F0 |
CJK Unified Ideographs Extension D |
SIP |
必要 |
----- |
MJ058910 |
未指定 |
| 8 |
𫞋 |
U+2B78B |
CJK Unified Ideographs Extension D |
SIP |
必要 |
----- |
MJ014410 |
未指定 |
| 9 |
𣖾 |
U+235BE |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
----- |
MJ038168 |
未指定 |
| 10 |
𠏹 |
U+203F9 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-03-02 |
MJ030848 |
未指定 |
| 11 |
𡈽 |
U+2123D |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-15-34 |
MJ032932 |
未指定 |
| 12 |
𡋽 |
U+212FD |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-04-82 |
MJ033033 |
未指定 |
| 13 |
𡶒 |
U+21D92 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-08-37 |
MJ034538 |
未指定 |
| 14 |
𡸴 |
U+21E34 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-47-78 |
MJ034640 |
未指定 |
| 15 |
𣇃 |
U+231C3 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-13-93 |
MJ037700 |
未指定 |
| 16 |
𣕚 |
U+2355A |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-14-88 |
MJ038132 |
未指定 |
| 17 |
𣘹 |
U+23639 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-15-31 |
MJ038224 |
未指定 |
| 18 |
𣜿 |
U+2373F |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-86-09 |
MJ038332 |
未指定 |
| 19 |
𣷓 |
U+23DD3 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-78-64 |
MJ039381 |
未指定 |
| 20 |
𥔎 |
U+2550E |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-89-09 |
MJ042849 |
未指定 |
| 21 |
𥧄 |
U+259C4 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-89-52 |
MJ043488 |
未指定 |
| 22 |
𥹖 |
U+25E56 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-83-84 |
MJ044210 |
未指定 |
| 23 |
𦙾 |
U+2667E |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-85-21 |
MJ045521 |
未指定 |
| 24 |
𦫿 |
U+26AFF |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-90-61 |
MJ046282 |
未指定 |
| 25 |
𧃄 |
U+270F4 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
1-91-41 |
MJ047259 |
未指定 |
| 26 |
𧦅 |
U+27985 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-88-54 |
MJ048837 |
未指定 |
| 27 |
𩗏 |
U+295CF |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-92-34 |
MJ053729 |
未指定 |
| 28 |
𩸕 |
U+29E15 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-93-57 |
MJ055201 |
未指定 |
| 29 |
𪀕 |
U+2A02F |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-94-09 |
MJ055513 |
未指定 |
| 30 |
𩹉 |
U+29E49 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-93-61 |
MJ055230 |
未指定 |
| 31 |
𨺉 |
U+28E89 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-91-69 |
MJ052363 |
未指定 |
| 32 |
𨸶 |
U+28E36 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-91-65 |
MJ052313 |
未指定 |
| 33 |
𡵅 |
U+21D45 |
CJK Unified Ideographs Extension B |
SIP |
必要 |
2-08-24 |
MJ034487 |
未指定 |
初期観察
33文字の内訳は以下のとおりである。
- BMP内の文字: 4文字
- SIP内の文字: 29文字
- CJK統合漢字拡張B: 26文字
- CJK統合漢字拡張D: 3文字
- UTF-16でサロゲートペアが必要な文字: 29文字
- MJ番号が付与されている文字: 33文字
- IVSが国土地理院公表資料で明示されている文字: 0文字
したがって、今回の追加対象の約88%はBMP外の文字である。
これは「日本語フォントのカバレッジ」の問題であると同時に、「Unicode補助面の地名文字を地理空間情報処理の全経路で扱えるか」という問題である。
推奨する試験シナリオ
A. データ保持試験
以下の経路で、各文字が U+FFFD にならず、同一コードポイントとして維持されることを確認する。
UTF-8原データ
→ JSON / GeoJSON
→ データベース
→ ベクトルタイル生成
→ MVT / PBF
→ クライアント側デコード
→ MapLibre text-field
期待結果:
- 元のUnicodeコードポイントが維持される
U+FFFD に置換されない
- 代替漢字に変換されない
- 文字が脱落しない
B. MapLibre表示試験:ローカルフォント経路
glyphs を指定しないスタイルで、ローカルフォントによる表示を試験する。
例:
{
"version": 8,
"sources": {
"test": {
"type": "geojson",
"data": {
"type": "FeatureCollection",
"features": []
}
}
},
"layers": [
{
"id": "gsi-plane2-labels",
"type": "symbol",
"source": "test",
"layout": {
"text-field": ["get", "name"],
"text-size": 16
}
}
]
}
確認事項:
glyphs 省略時に全33文字を表示できるか
- OS別・ブラウザ別に差があるか
- 標準フォントのみで表示できるか
- IPAmj明朝等を追加した場合に改善するか
- 表示不能時に
□ になるか、空白になるか、 になるか
C. MapLibre表示試験:glyph PBF経路
glyphs を明示的に指定したスタイルで試験する。
確認事項:
- glyphサーバが
U+FFFF を超える範囲のPBFを生成できるか
- glyph生成ツールがCJK統合漢字拡張B/Dに対応しているか
- 使用フォントが対象文字のグリフを持っているか
- MapLibreが必要な
{range} を正しく要求するか
- 欠落時の表示が
□、空白、 のどれになるか
想定されるリスク:
- glyphサーバや生成ツールがBMP中心にしか検証されていない
- フォントには字形があっても、glyph PBF生成経路で落ちる
- 文字列データは維持されているが表示のみ失敗する
D. コピー&ペースト試験
各文字について、以下の経路を試験する。
MapLibreラベル
→ ブラウザ上でのコピー、またはDOM/HTML経由のコピー
→ クリップボード
→ テキストエディタ
→ コードポイント確認
確認事項:
- コピー後の文字が元のコードポイントと一致するか
U+FFFD にならないか
- 視覚的に似た代替文字に変換されないか
- 私用領域文字に変換されないか
- 文字が脱落しないか
E. PDF試験
以下の経路を試験する。
HTML / Web地図出力
→ PDF
→ 画面表示確認
→ PDFからコピー
→ コードポイント確認
注意点:
- PDF上で見えることと、PDFからUnicodeとして正しく抽出できることは別問題である
- PDFで表示できても、コピー時に
U+FFFD になる可能性がある
- この挙動は、公式資料、帳票、地図PDF等の再利用性に影響する
F. 検索・正規化試験
各文字について、以下を試験する。
データベース登録
→ 完全一致検索
→ 前方一致検索
→ 全文検索
→ ソート
→ エクスポート
確認事項:
- 完全一致検索が成立するか
- 正規化処理で別文字に変換されないか
- 代替文字検索をサポートする必要があるか
- MJ番号を補助キーとして保持すべきか
- 検索用の異体字・代替字テーブルが必要か
合格基準案
このテストセットに対する合格基準として、以下を提案する。
- 全33文字をUTF-8として保存できる
- 全33文字をJSON/GeoJSONとしてシリアライズできる
- 全33文字をMVT/PBFにエンコード・デコードできる
- 少なくとも1つの明示された表示環境で全33文字を表示できる
- データ処理経路で
U+FFFD に置換されない
- 欠字・豆腐表示とデータ損失を区別して診断できる
- コピー可能な出力では、コピー後もコードポイントが維持される
- PDF出力をサポートする場合、表示とテキスト抽出の可否を別々に記録する
- 試験結果にはOS、ブラウザ、MapLibreバージョン、フォント経路、利用フォントを記録する
提案する成果物
1. テストデータ
1文字1点の小さな GeoJSON を作成する。
属性例:
{
"no": 1,
"char": "坉",
"codepoint": "U+5749",
"block": "CJK Unified Ideographs",
"plane": "BMP",
"surrogate_pair": false,
"jis_x_0213": null,
"mj": "MJ008938",
"ivs": null
}
2. 表示試験ページ
MapLibre GL JS を用いた最小試験ページを作成する。
モード:
glyphs を指定しないローカルフォントモード
glyphs を指定するglyph PBFモード
ページ上に表示する情報:
- 文字
- コードポイント
- MJ番号
- 表示結果
- OS / ブラウザ
- フォント経路
3. パイプライン試験
以下の一致を確認するスクリプトまたはワークフローを作成する。
source JSONのコードポイント
= decoded vector tile attribute
= rendered label input
= copied output, where applicable
4. 結果マトリクス
環境ごとの試験結果を以下のように記録する。
| 環境 |
ローカルフォント経路 |
glyph PBF経路 |
PDF表示 |
PDFコピー |
備考 |
| Windows 11 / Edge |
TBD |
TBD |
TBD |
TBD |
|
| macOS / Safari |
TBD |
TBD |
TBD |
TBD |
|
| Ubuntu / Firefox |
TBD |
TBD |
TBD |
TBD |
|
| Android / Chrome |
TBD |
TBD |
TBD |
TBD |
|
| iOS / Safari |
TBD |
TBD |
TBD |
TBD |
|
論点
-
CJKが多い地図では、glyphs を省略してローカルフォントを使う方針を推奨できるか。
-
日本語補助面地名文字に対する既知の良好なフォントスタックを維持すべきか。
-
GSI Plane 2 Kanji Test Set を、多言語ラベル試験セットの一部にできるか。
-
日本語地名を扱う際、MJ番号を任意メタデータとして保持すべきか。
-
障害分類として、以下を明確に区別すべきか。
- データ損失
- glyph欠落
- フォントフォールバック失敗
- PDFテキスト抽出失敗
- 検索・正規化失敗
-
代替文字から本来のUnicode文字へ移行する各国地名データに対して、一般化可能なパターンとして文書化できるか。
位置づけ
これは日本の稀用漢字だけの問題ではない。
より一般化すれば、次の問題である。
国家地図作成機関等が提供する権威ある地名データは、今後ますますUnicode全域を前提とする。一方、多くのWeb地図基盤は、暗黙のうちにBMP時代の文字集合を前提に設計・試験されてきた可能性がある。
国土地理院の33文字リストは、この問題を検証するための非常に良い試験セットである。
理由は以下のとおり。
- 公式な情報源に基づく
- 実際の地名表記に必要である
- 小さく扱いやすい
- 合成的なテスト文字ではない
- BMP、拡張B、拡張Dを含む
- フォント、エンコーディング、MVT、MapLibre、PDF、コピー&ペーストの問題を横断的に露出させる
DWG7 / UN Smart Maps にとって、このテストセットは、権威ある多言語地名データを扱うツールチェーンがUnicode補助面に対応できているかを確認する、コンパクトで実践的な回帰試験として有用である。
以下、Copilot による生成です。
GSI Plane 2漢字テストセット:Unicode補助面の地名表記に関するWeb地図基盤の検証
概要
国土地理院は、令和8年(2026年)10月30日以降、地名情報で取り扱う日本語文字集合の範囲を一部変更し、これまで代替文字で表現していた一部の漢字を、本来の文字で表現する方針を公表している。
この変更は、単なる「珍しい漢字の追加」ではない。対象33文字の大半は Unicode の基本多言語面(BMP)外、すなわち補助漢字面(SIP: Supplementary Ideographic Plane)に属する文字であり、Web地図基盤、ベクトルタイル、MapLibre GL JS、PDF、検索、コピー&ペースト等の処理系が、Unicode補助面の地名文字を損失なく扱えるかを試す実践的なテストケースになる。
本 issue では、国土地理院が公表した33文字を、UN Smart Maps / DWG7 関連ツールチェーンにおける回帰試験セットとして扱うことを提案する。
情報源
国土地理院「【予告】地名情報で取り扱う漢字の仕様を一部変更します。」
https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41222.html
国土地理院「仕様の一部変更に伴い追加する漢字(33文字)」
https://www.gsi.go.jp/common/000279182.pdf
MapLibre Style Specification: Glyphs
https://maplibre.org/maplibre-style-spec/glyphs/
背景
国土地理院の予告では、令和8年10月30日以降、日本語文字集合の範囲を一部変更し、以下の漢字を代替文字ではなく本来の文字で表現するとしている。
これは、地名情報の文字表記が、従来の代替字運用から、より正確なUnicode本字運用へ移行することを意味する。
これまで多くのWeb地図システムは、暗黙のうちに以下の前提に依存していた可能性がある。
しかし、国土地理院が公式な地名情報にUnicode補助面の漢字を投入することにより、問題はフォント表示だけではなくなる。
本質的には、次の問いになる。
なぜWeb地図基盤にとって重要か
MapLibre GL JS を含むWeb地図表示では、文字描画に複数の経路があり得る。
glyph PBF を使う経路
MapLibre Style では、
glyphsに以下のような URL テンプレートを指定できる。{ "glyphs": "https://example.org/fonts/{fontstack}/{range}.pbf" }この場合、ラベル表示は、指定されたフォントスタックと glyph PBF サーバに依存する。
重要な検証点は以下である。
U+20000以上の範囲に対する glyph PBF が生成できるかglyphs を指定しない経路
近年のMapLibre GL JSでは、
glyphsを省略した場合にローカル環境のフォントを用いる挙動がある。この場合、SDF glyph 配信に依存しないため、CJK文字、とくに補助面漢字については、OSやブラウザのフォントフォールバックを利用できる可能性がある。
一方で、この経路では表示結果が以下に依存する。
したがって、「MapLibreで表示できるか」という問いは、より正確には次の問いに分解すべきである。
問題意識
今回の国土地理院の変更は、「地図上に珍しい漢字が出るか」という狭い問題ではない。
むしろ、以下のような日本のWeb地図基盤全体の成熟度を試す出来事である。
特に重要なのは、
と□の違いである。が表示される場合はU+FFFD REPLACEMENT CHARACTERである。これはフォントの問題ではなく、元の文字がデコード、変換、抽出、コピー等の過程ですでに失われていることを意味する。
この状態になった後では、IPAmj明朝などのフォントを追加しても元の文字は復元できない。
□が表示される場合□、いわゆる豆腐が表示される場合は、Unicode文字そのものは届いているが、現在のフォントまたはglyph配信経路に対応する字形がない可能性が高い。この場合は、フォント、glyphサーバ、フォントフォールバック設定によって改善できる余地がある。
PDFで見えるがコピーで壊れる場合
PDFでは、画面表示とテキスト抽出が別の仕組みで動作する。
そのため、Acrobat等で画面上は正しく表示されていても、コピー&ペースト時にUnicodeへの対応付けが失敗し、
や別文字になる場合がある。これは、今回のようなMJ文字・補助面漢字を含む地名情報では特に注意すべきである。
提案:GSI Plane 2 Kanji Test Set
国土地理院が公表した33文字を、
GSI Plane 2 Kanji Test Setとして扱い、Unicode補助面地名文字の実装試験、回帰試験、表示試験、コピー&ペースト試験に利用する。このテストセットは以下の点で有用である。
対象33文字
列の意味は以下のとおり。
No.: 本issue内の通し番号文字: 対象漢字コードポイント: Unicodeコードポイントブロック: Unicodeブロック面: BMPまたはSIPUTF-16サロゲートペア: UTF-16でサロゲートペアが必要かJIS X 0213: 国土地理院公表資料に記載された値MJ番号: 文字情報基盤のMJ番号IVS: 国土地理院公表資料では未指定初期観察
33文字の内訳は以下のとおりである。
したがって、今回の追加対象の約88%はBMP外の文字である。
これは「日本語フォントのカバレッジ」の問題であると同時に、「Unicode補助面の地名文字を地理空間情報処理の全経路で扱えるか」という問題である。
推奨する試験シナリオ
A. データ保持試験
以下の経路で、各文字が
U+FFFDにならず、同一コードポイントとして維持されることを確認する。期待結果:
U+FFFDに置換されないB. MapLibre表示試験:ローカルフォント経路
glyphsを指定しないスタイルで、ローカルフォントによる表示を試験する。例:
{ "version": 8, "sources": { "test": { "type": "geojson", "data": { "type": "FeatureCollection", "features": [] } } }, "layers": [ { "id": "gsi-plane2-labels", "type": "symbol", "source": "test", "layout": { "text-field": ["get", "name"], "text-size": 16 } } ] }確認事項:
glyphs省略時に全33文字を表示できるか□になるか、空白になるか、になるかC. MapLibre表示試験:glyph PBF経路
glyphsを明示的に指定したスタイルで試験する。確認事項:
U+FFFFを超える範囲のPBFを生成できるか{range}を正しく要求するか□、空白、のどれになるか想定されるリスク:
D. コピー&ペースト試験
各文字について、以下の経路を試験する。
確認事項:
U+FFFDにならないかE. PDF試験
以下の経路を試験する。
注意点:
U+FFFDになる可能性があるF. 検索・正規化試験
各文字について、以下を試験する。
確認事項:
合格基準案
このテストセットに対する合格基準として、以下を提案する。
U+FFFDに置換されない提案する成果物
1. テストデータ
1文字1点の小さな GeoJSON を作成する。
属性例:
{ "no": 1, "char": "坉", "codepoint": "U+5749", "block": "CJK Unified Ideographs", "plane": "BMP", "surrogate_pair": false, "jis_x_0213": null, "mj": "MJ008938", "ivs": null }2. 表示試験ページ
MapLibre GL JS を用いた最小試験ページを作成する。
モード:
glyphsを指定しないローカルフォントモードglyphsを指定するglyph PBFモードページ上に表示する情報:
3. パイプライン試験
以下の一致を確認するスクリプトまたはワークフローを作成する。
4. 結果マトリクス
環境ごとの試験結果を以下のように記録する。
論点
CJKが多い地図では、
glyphsを省略してローカルフォントを使う方針を推奨できるか。日本語補助面地名文字に対する既知の良好なフォントスタックを維持すべきか。
GSI Plane 2 Kanji Test Set を、多言語ラベル試験セットの一部にできるか。
日本語地名を扱う際、MJ番号を任意メタデータとして保持すべきか。
障害分類として、以下を明確に区別すべきか。
代替文字から本来のUnicode文字へ移行する各国地名データに対して、一般化可能なパターンとして文書化できるか。
位置づけ
これは日本の稀用漢字だけの問題ではない。
より一般化すれば、次の問題である。
国土地理院の33文字リストは、この問題を検証するための非常に良い試験セットである。
理由は以下のとおり。
DWG7 / UN Smart Maps にとって、このテストセットは、権威ある多言語地名データを扱うツールチェーンがUnicode補助面に対応できているかを確認する、コンパクトで実践的な回帰試験として有用である。